弦楽器 Q&A
弦楽器に関するいろいろな疑問にお答えします。
2023年12月31日をもちまして、新規投稿・コメントの書き込みを終了させていただきました。
5203件のQ&Aがあります。
Q:チェロの削り直し?
投稿者:anton 投稿日時:2002/01/29 23:14 ---
こんにちは。ストラッド店主さんに質問なのですが、
20世紀前半のイタリアの楽器の多くは板が厚めに出来ている、というのは本当ですか?私のチェロ(1940年製)も板が厚めです。そのせいか、高音域はかなりいい音ですが、低音のボリュームが今一つです。この楽器を見たあるチェリストが、「これは板を少し削るともっとうんと音がでるよ」と言うのですが、これはどうなのでしょうか?楽器の削り直しと言うのは、どの程度リスキーのものなのですか?また、音質、音量が劇的に改善される事が期待できますか?(昨年の弦楽器フェアで見たビソロッティのチェロは素晴らしい音でしたが、余りに薄く、軽く出来ているのに驚きました。)
御教示お願い致します。
投稿者:ストラッド 投稿日時:2002/01/30 12:03 ---
こんにちは、antonさん。ストラッド店主です。
>20世紀前半のイタリアの楽器の多くは板が厚めに出来ている
確かにその傾向はあるようです。
>「これは板を少し削るともっとうんと音がでるよ」
可能性としては大いにあると思います。
>音質、音量が劇的に改善される事が期待できますか?
可能性としてはあると思いますが、やってみないと解らない。と思います。
作者が厚めに削ったのには何か理由があると思います。材料なのか?もしかしたら200年先を見通して削ったのかも知れません。
いずれにしろ難しい問題ですね。「いい音」に変化するかどうか、という事も何が「いい音」なのか人それぞれ違いますし。削って逆に悪くなる可能性もありますので、職人さんもお店も手が出せない所ですね。
そういう意味では賭けみたいなものでリスキーと言えると思います。それでは!
Q:新作弓について
投稿者:Geertz 投稿日時:2002/01/26 23:55 ---
新作の弓についてちょっと気になったので教えてほしいのですが、新作弓でもっとも値段が高いものはいくらぐらいするのですか?
よろしくお願いします。
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/28 10:36 ---
いらっしゃいませ! Geertzさん。ストラッド店主です。
新作の弓でもっとも値段が高い物は、バイオリンで普通に使う物で
60万円くらいではないでしょうか。
それ以上のものは見た記憶がございません。
投稿者:かめ 投稿日時:2002/01/29 14:20 ---
いわゆる定価(標準小売価格)というものを見ると、
国内のメーカーのものでも90万というものもありますね。
また、輸入レートにもよるのでしょうが、フランス弓などでは
新作でで100万を越えるものもあるようです。
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/29 14:53 ---
あ、かめさん。いらっしゃいませ。
ありますか!私は新作の事は結構うといんですよ。
すいません。Geertzさん。すいません。
100万以上もあるそうです。かめさんからの情報だから間違いないと思います。
それでは!
Q:チェロのサイズ
投稿者:焼売餃子 投稿日時:2002/01/26 01:30 ---
初めまして。
友人からチェロを譲ってもらったのですが、安物だということなので、
サイズが正しいのかどうか気になっています。
チェロの大まかなサイズを教えていただけると、ありがたいです。
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/26 09:50 ---
いらっしゃいませ!焼売餃子さん。ストラッド店主です。
チェロのサイズですね。現代作られている標準的なサイズは、
まず下の画像を見てください
http://www.strad.co.jp/column/image/colum_08.jpg
バイオリンの画像ですがチェロだと思ってください。
Aのサイズが748mm〜755mm(オールドチェロは話が別です)
Bのサイズが400mm
Cのサイズが280mm
です。BとCの比率が10:7になります。
ちなみにバイオリンとビオラは3:2になります。
BとCは指幅に影響しますので、重要です。それでは!
投稿者:焼売餃子 投稿日時:2002/01/27 10:38 ---
レスありがとうございます。
ご教授くださった数字を元に、一度測ってみようと思います。
ところで、ネックの径は大体どのくらいになるのでしょうか?
バイオリンをやっている経験上、安物や粗悪品だとネック周りが太すぎる
という傾向があるような気がするので、気になっています。
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/28 10:32 ---
ネックの径のサイズはちょっとわかりにくいと思いますが、
チェロを真横から見てネックの丁度真ん中の厚みを直線で計って
31ミリというのが標準とされております。
Q:celloはViolin族では失敗楽器?
投稿者:やまちん 投稿日時:2002/01/24 08:46 ---
かねがねチェロを聞いていて思うのですが、高名な奏者でも演奏会場の後ろの方では音が聞こえませんと言う事があります。コントラバスはチェロの補強に作ったと聞いています。やっぱり、音が小さいからでしょうか。実際コントラバスの音は1台でも良く通ります。バイオリンなどはどんなかすかな音でも後ろできこえます。オーケストラでもチェロの音は埋没しているように思えるのです。私はチェロを弾いていてますが、この点がいつも気に掛かっているのです。どう解釈すれば良いのか教えてください。
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/24 14:09 ---
いらっしゃいませ、やまちんさん。
ストラッド店主です。
そうですね、バイオリンは物理学的に完璧です。あの音程の音を出す楽器として完全に理にかなった作り方をしております。
それに比べ、ビオラもチェロも物理学的では完璧ではありません。演奏のしやすさを優先して作られております。本来ならもっと大きくなくてはいけません。でもそれだと演奏できないんですよ。そういう意味で「不完全」という事は言えると思います。
それとチェロの音がバイオリンより聞こえにくいのは、人間の聴力が関係しております。簡単に言うと人間の耳はバイオリンの音は聞こえやすいのですがチェロの音はバイオリンほど聞こえないという事ですね。
しかし超一流の演奏者が超一流の楽器で演奏すると私はバイオリンと同じくらいに聞こえると思います。(もしかしたら私の願望なのかもしれませんが)それでは!
投稿者:やまちん 投稿日時:2002/01/24 22:06 ---
すると容量の大きいモンターニャモデルは少しは理にかなっていると言うことでしょうか。
チェロの場合サイズの問題があるということなので経年はさほど音には影響ないと考えてよいのでしょうか。例えばクレモナの現代物で甘くよく鳴る楽器がありますが、Violinとちがい、こういうのを選ぶのも選択肢でしょうか。
投稿者:かめ 投稿日時:2002/01/24 22:44 ---
>容量の大きいモンターニャモデルは少しは理にかなっていると言うことでしょうか。
ストラドモデルでもモンターニャモデルでも絶対的な音量はさほど変わり
ませんよ。モンターニャモデルの方が横幅がある分、縦は小さいですから。
で、横幅がある分だけ、低音はストラドモデルよりも豊かになります。
逆にストラドモデルの方が高音は艶がありますね。
よって、ストラドモデルの方が音抜けは良いかもしれません。モンターニャ
の方が、ほかの楽器の音に埋もれる可能性はあると思います。
>チェロの場合サイズの問題があるということなので経年はさほど音には
>影響ないと考えてよいのでしょうか。
いえいえ、十分に影響すると思います。楽器が大きい分だけ、箱が振動する
のに時間がかかりますから。経年変化で十分に枯れた木の方が、音の振動を
よく伝えます。
>例えばクレモナの現代物で甘くよく鳴る楽器がありますが、Violinと
>ちがい、こういうのを選ぶのも選択肢でしょうか。
甘く良く鳴る・・・というのがホールでなら良いのですが、残念ながら
ほとんどの場合耳元、あるいは数メートルの範囲のようです。
投稿者:ヴィヨーム 投稿日時:2002/01/25 00:18 ---
>容量の大きいモンターニャモデルは少しは理にかなっていると言うことでしょうか。
>ストラドモデルでもモンターニャモデルでも絶対的な音量はさほど変わり
ませんよ。モンターニャモデルの方が横幅がある分、縦は小さいですから。
ストラッド店主様が「本来ならもっと大きくなくてはいけません。」と仰っているのは、確かに容量のこともあるかも知れませんが、一番は弦長のことではないかと思います。ヴァイオリンの弦の張力等すべてを比例させて、1オクターブ5度下のチェロの音域まで楽器を大きくしていくとなると、弦長は現在の69cm程度では全然足りず、95cmを超えてしまうコントラバスのようなチェロになってしまいます。ただ、これでは演奏が不可能なので弦長を短くして、そのことによって足りなくなる張力を弦を太くすることなどで補正している訳です。そういえば以前、チェロではありませんが、弦長48cmの巨大ヴィオラを弾かせて頂いたことがありましたが、正にヴァイオリンをそのまま大きくしたような張りのある凄い音がいたしました。
店主様、間違っておりましたらごめんなさい。
投稿者:M.A. 投稿日時:2002/01/26 17:19 ---
私は以前、某有名チェリストがドヴォルザークのチェロ協奏曲を弾くのを生で聴いたことがありますが、ソロの音がオケの音に埋没しているような感があり、ちょっと期待はずれだった記憶があります。演奏そのものは大変素晴らしかったんですけどね・・・。
投稿者:通りすがり 投稿日時:2002/01/28 02:27 ---
通りすがりです。
>私は以前、某有名チェリストがドヴォルザークのチェロ協奏曲を弾くのを生で聴いたことがありますが、ソロの音がオケの音に埋没しているような感があり、ちょっと期待は
>ずれだった記憶があります。演奏そのものは大変素晴らしかったんですけどね・・・。
これは、店主様のおっしゃるとおり、チェロの音域が人にとって聞こえにくいことに加え、
チェロの音域が大体大譜表の範囲であることにもよるかと思います。
大抵の楽器の音域が大譜表の範囲である以上その範囲の音しかでないのでは、埋没しや
すくてもしかたがないかと。
この点は高音楽器であるバイオリンとは決定的に異なりますが、逆にいうとその範囲だと
バイオリンでも埋没しやすいと思いますが......
ソロ楽器として確立した時期を別にしてもと、この問題があるので、チェロコンチェルトを作った作曲家
は少ないと理解していますが、いかがでしょう?
Q:買うべきか買わぬべきか?
投稿者:サンタのパパ 投稿日時:2002/01/21 13:33 ---
こんにちは!初めて質問させてもらいます。
バイオリンを始めるので友達の友達より『シモーラ』
という楽器を譲りうけようかどしようかまよっています。
価格が安いのでどうかなーと思いまして、どなたか教えてください。
ちなみに弓とケース込みで13万といわれています。
傷はちょこちょこありますが、使用するには問題なさそうなのです。。。。
投稿者:かめ 投稿日時:2002/01/21 15:06 ---
シモーラというのは東京の楽器屋さんのオリジナル製品ですね。
一応ドイツの工房で作ったものを輸入している形になっています。
シモーラの中にも定価が8万から50万と幅がありますので、
どの楽器かわかりませんが、F字孔から楽器の中をのぞき込むと
ラベルに型番が書いてあるので、それが値段になっています。
値段の高い上級モデルはともかく、下級グレードのものは
しっかり作られている印象があります。上級グレードだと
その金額を出すなら他の楽器・・・という選択もあるかなと。
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2002/01/22 10:19 ---
いらっしゃいませ!サンタのパパさん。そしていつもお答えありがとうございます。かめさん。
シモーラの詳しい情報は
http://www.shimokura-violin.com/
http://www.minehara.com/shimo/shimora.htm
などです。有名で日本ではかなりの数出回っております。
買うべきか買わないべきか?というのは難しいですね。
型番が解らないとなんとも言えませんが。
友達経由で13万はちょっとお高いような感じがします。
私の個人的な感想ですが!それでは!
投稿者:サンタのパパ 投稿日時:2002/01/22 17:43 ---
みなさんありがとうございます。番号を確認しましたら#120
でした。中古としては微妙な値段でね。今回は見合わせます。
助かりました。
Q:私の楽器のこと教えて下さい。
投稿者:TAN 投稿日時:2002/01/15 01:30 ---
はじめまして。
私は大学の時はじめてチェロと出会い、4年間オケをやっておりました。
その後数年間ブランクはあったものの、最近レッスンに通い出しチェロに夢中の毎日です。
ところで、私の所有する楽器のことについてお聞きしたいのです。
学生時代、オケに入って3ヶ月もしないうちにトレーナーの先生にお願いしてチェロを購入しました。「Pino」という日本製のものです。購入当時、まったく楽器の選び方などわからなかったので50万円くらいの予算で…と先生に一任して選んで頂いたものです。先生のお話では「そんなに有名ではないが知る人ぞ知るメーカーの楽器なんだよ。」とのことでした。自分としてはとても弾きやすく気に入っているのですが、購入してから10年近く経って購入当時気にしなかったメーカーのことが気になりだしました。もし何かご存知でしたらメーカーのこと、評判等教えて頂ければ幸いです。
それと今とても弓が欲しいのです!今使っている弓は楽器を買ったときにオマケでつけて頂いた安物の弓なのですが、弓購入の際の選び方のポイントを知りたいです。
このような質問掲示板探しておりました。是非これからも拝見させて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/16 13:07 ---
いらっしゃいませ!TANさん。ストラッド店主です。
ちょっと出かけてましたお返事遅れて申し訳ございません。
Pinoという楽器は確か「松尾楽器」さんが出しているブランドだと記憶しております。見た事がないのでコメントできませんが、もし気になるようでしたら、直接「松尾楽器」さんに問い合わせてみてください。
弓に関してはそうですね、最低条件としては材質が「フェルナンブーコー材」ですね。、また新しい楽器なので、少し重めの弓のほうが音が出しやすいのではないでしょうか。それでは!
投稿者:TAN 投稿日時:2002/01/17 22:05 ---
店主様。ド素人の質問にもご丁寧にレス頂きましてありがとうございました。
「松尾楽器」さんとはどちらに本社のある楽器屋さんでしょうか?
検索で調べてみましたら該当が1件だけではなかったので…
度重なる素人質問でごめんなさい・・・(;^_^A アセアセ・・・
こちらの掲示板本当に勉強になります。初心者の素朴な疑問から、ハイレベルな議論までいろいろと・・・
是非これからも拝見させて頂きます♪それでは!
投稿者:パブロ・サラサーテ 投稿日時:2002/01/18 00:44 ---
それはおそらく三軒茶屋の有限会社マツオ商会のことだと思いますよ。
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2002/01/18 10:19 ---
TANさん、パブロ・サラサーテさん。いらっしゃいませ!
パブロ・サラサーテさんありがとうございます。
カタカナの「マツオ」でしたね。
TANさん、「マツオ商会」で検索してみてください。
ホームページはないみたいですけど連絡先などは解ります。それでは!
Q:古い楽器は、もう成長しないのか?
投稿者:でいらぼっち 投稿日時:2002/01/13 13:06 ---
1つ前の質問スレッドから引っ越して参りました。
ぼこさん、私は少しあなたのことを誤解していたようです。あなたの真意をくみ取れず、やや批判的な書き方をしたことをお許しください。最初の発言で、古い(そして性能的にすでに安定している)楽器より将来化ける(かもしれない)新作楽器の方を評価しており、そのよりどころを価格・ラベル・国・他人の意見に置いているように感じましたので、あのような反論をさせていただきました。しかしその後のぼこさんのご意見を読み、やはり「良い音」に最大の価値を置いていることと、決して投機目的でなくヴァイオリンが好きだからこそよりよい楽器を探し求めていること、その過程でいわゆる「良い楽器」に対する疑問や考え方の変化があったことがわかりました。
さて、ぼこさんに1つお聞きしたいのは、
> 150年経過した楽器で100万の楽器は後50年弾いても音質や音量の変化はほとんど期待できず、所詮その程度の楽器で、今500万位で売っているような楽器には化けません。
というくだりです。私は前にも言ったとおり、古い楽器の信奉者ではありません。しかし、上記のことはどのような理由からおっしゃっているのでしょうか?ストラッド店主さんのご意見によれば、「楽器は100年単位で音が変わっていく」とのことですし、ヴァイオリンの寿命を考えればきちんと作られている楽器であれば、たとえ「150年経過した楽器で100万の楽器」であってもまだ成長が見込まれるのではないでしょうか?また、楽器を道具と考えた場合、価格と性能が順当に比例していくのには限界があり、ある線以上はそれこそ骨董的価値・希少性・(音以外の)芸術性・商品性など、音楽の道具としての価値とはある意味無関係な部分で価格が決まってゆくと思われます(そのあたり、どうでしょうか? >店主様)。
それから、私の拙い知識では、経年変化により音質がより良く変わる、あるいはより悪く変わることはあっても、音量が劇的に上がることはないと理解しています。古い楽器で大音量のものは、新作の頃からすでにある程度大音量だったのではないでしょうか?やはり新作楽器が古い楽器に対して大きく異なる点があるとすれば、その音質的な変化が経過時間に対して一般的に大きいことで、これが良い方向に向かえば所有者としてこの上ない喜びになると思います。私も新作楽器を使っておりますが、最初の10年・20年でどのように音が変わっていくかが楽しみでもあり、もし変わらないあるいは悪くなるようなら、そのときは「現時点で音の良い」古い楽器にするのも良いかな?と考えています。もうその頃はじじいになっていますから、きっと楽器の成長を待てないでしょう。
投稿者:ぼこ 投稿日時:2002/01/14 00:57 ---
でいらぼっちさん 新しいスレッドにしていただきありがとうございました。この私が登場してから、なんだか他の方が質問しにくい雰囲気になっているのか、他の多くのこの「ストラッドQ&A」ファンやストラッド店長様には申し訳ないと思っています。それでも「ストラッド」大ファンの私としてはすいませんがまた書かさせていただきます。
>ストラッド店主さんのご意見によれば、「楽器は100年単位で音が変わっていく」とのことですし、ヴァイオリンの寿命を考えればきちんと作られている楽器であれば、たとえ「150年経過した楽器で100万の楽器」であってもまだ成長が見込まれるのではないでしょうか?
本当によい楽器を長年弾きこんだことがないのではっきりしたことはいえないのですが、私の考えでは、100年単位で音が変わるのは初めの100年が最も大きいのではと思います。確かに100年経過した楽器がさらに100年経過することで音の変化は間違いなくあると思いますが、その変化は小さく(その小さな変化がソリストなどの要求には必要なんだとは思いますが)その楽器の持っているパーフォーマンスやべーシックな点は、初めの100年で、ほぼ出来あがるのではないかと。150〜200年で楽器では、ほぼ熟成されているので、その後の変化は非常に小さいのではと思うのです。(自分のオールドの楽器を25年弾いた感じでは、あと100年経っても音色や音量その他が劇的に変化するとは到底思えません)
>楽器は100年単位で音が変わっていくというのが私の今までの経験で培った結論です。正直50年程度ですと、それほどの変化は期待できないと思います。
という店長様の御意見ですが、自分がいろいろな楽器店で様々な楽器を弾かしていただいた経験で述べさせていただきますと、25〜50年位経過した楽器(実際に弾いたのはズガラボットやズデルチ、セストロッチ、ビソロッティ、スクロラベッツァなどと書かれたラベルの楽器)でも決して新作では味わえない弾きやすさ、シルバートーンとまではいわないまでも渋い深い音色、早いパッセージを弾いても音が裏がえない(キンキンした音のしない)なんともいえない音色を感じました。自分の感覚では、この位の音色なら弾いていて嫌にならない、楽しい楽器でした。でも値段は300万以上、高いんです。ただ店長様もおっしゃっていましたが、25〜50年位でいい感じの音になっているのは、その楽器が日本で経過したのではなくヨーロッパの気候で経過したからかもしれません。
もちろん25年、50年、100年とそれぞれ大きな違いがあるとは思います。100年くらい前のアントニアッチやマリオガッタの楽器も弾く機会がありましたが、確かに25〜50年位経過した楽器と比べると違いはわかりますが、その熟成した音色はすごく近いものを感じでした。
>新作でも弾き込みによって音にむらがなくなり,鳴らしやすくレスポンスの良い楽器になっていきます.これは木質の経年変化とは違うものかと思いますが,そのかわり10年も待つ必要はなく,弾き始めて数年で十分という気がします.
このASさんの御意見ですが、自分の楽器でも2年しか経過していないのですが、その変化を感じます。友人の持っている5年から10年経過した楽器でもその感じを強く感じます。自分もこれはASさんのおっしゃる「木質の経年変化とは違うもの」の様な気がします。
>経年変化により音質がより良く変わる、あるいはより悪く変わることはあっても、音量が劇的に上がることはないと理解しています。
自分もそのように思っています。弾きやすくなるために音量を出しやすくはなると思いますが、板を薄く削り直したりする大手術をしなければ音量の変化は少ないと僕も思います。
>最初の10年・20年でどのように音が変わっていくかが楽しみでもあり、もし変わらないあるいは悪くなるようなら、そのときは「現時点で音の良い」古い楽器にするのも良いかな?と考えています。
本当に自分も新作を弾いていてそう思っています。10年20年で音が悪くなるものは、100年経って良くなることは決してないと思います。その時は持っていても弾きたくない楽器になってしまうので手放すかなと思います。でももちろん買った時よりずっと安くなってしまうでしょうけど。
それでも自分は新たに新作にしてしまうかな・・今度はいい音に変わる楽器を期待して。でも宝くじやサッカーくじに当たればオールドやモダンにするかな・・
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2002/01/14 10:33 ---
いらっしゃいませ!でいらぼっちさん。ぼこさん。ストラッド店員です。
今、店主とはちょっと連絡が取れないので店主の意見はもう少しお待ちください。
でもレベルの高い議論ですね。
私が店主から聞いたお話を少しだけいたします。経年による音の変化と弾きこみにによる音の変化はまったく別物だと言っておりました。
経年による音の変化は、楽器が時間と共に枯れていき、新作とはまったく別の物質に変化していく事での音の変化で、これが百年単位の音の変化だと思います。
これはあくまでも物質の変化なので、変化しきったら、そこで成長は止まると言っていた記憶があります。現在オールドと呼ばれている楽器はもう完成されているもので、モダンと呼ばれているいる楽器はまだ成長過程なのじゃないでしょうか。
そして、今モダン初期のものはだんだんオールドに近づいているような事をいっておりました。
弾きこみによる音の変化についてはちょっとうまくいえませんが、たとえばダヌーツさんや、クラウディウさんが、30分位弾くだけでも確実におこります。
なぜか初心者の私が弾いてもおこらないのです。彼らは楽器の能力を最大限に出す事が出来るからでしょうか?
私が書けるのはここまでです。それでは!
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/16 17:28 ---
いらっしゃいませ!皆様。ストラッド店主です。
ちょっと掲示板の調子が悪く昨日は書き込みできなかったみたいです。
もう直りましたのでバンバンお願いいたします。
楽器の音を良し悪しを形成するのは、4つの項目があると考えております。
今話題になっている、経年と弾き込み、これについては店員が言っているので大体あっています。それと残りの2つはやはり作りと材料です。特に一番重要なのが私は材料だと思います。
優れた作家さんは、作りの技術ももちろんですが、材料選びが優れているのだと思います。
逆にいうと多少(っといっても限度はありますが)作りが悪くても材料が優れていると後年物凄いいい音の楽器になる可能性が高いと思います。
またこの材料は「経年、弾き込み」にも深くかかわってまいります。
材料が悪いと何年経っても、どんなに弾き込んでもあまり音が向上しない傾向にあるようです。
これらの意見は全て音に関しての私の経験に基ずいて最近強く感じる事です。
それでは!
投稿者:でいらぼっち 投稿日時:2002/01/17 00:00 ---
「弾き込み」にも2種類あるんじゃないか、と私は考えます。
店主さんがおっしゃる「弾き込み」は、長年弾き込むことでいわゆるエージングのような効果が楽器に対して現れるのではないかと。つまり接合部がミクロのレベルでより強固に接合され、一方動くべきところはより滑らかに動くようになる。エージングが本来どのような効果を与えるのか知らないので、これはあくまでも私の考えるイメージなのですが。
これに対し、店員さんのおっしゃっている「弾き込み」は、効果が非常に短時間で現れるが弾き手によっては現れないとのことから、これは楽器の変化というよりも弾き手側の変化なのではないかと。つまりどのように演奏すればその楽器の最大能力を発揮できるかということを、プロレベルの奏者は短時間のうちに探り当ててしまうのに対し、私らのレベルではいくら弾いてもなかなか探り当てられないってことなんだと思います。
今は楽器の性能(成長)という視点で話をしているので、関係のあるのはもちろん前者(店長さんのご意見)の方だと思います。
投稿者:AS 投稿日時:2002/01/17 08:49 ---
私も一言.
たしかに物理的な音量が経時変化によって大きく変わることはないのでしょうが,音のまとまりというか遠達性は明らかに変化していくように思います.英吾では楽器の音量的な性能を表現する際,”good volume”だけではなく”good projection”とか”penetration”という表現をよく使いますが,この辺の表現に関しては日本よりも欧米の方が繊細で歴史があるようですね.
また,楽器を弾いて30分でも音色が変化するというのは,駒や魂柱などを交換した際にはよく感じることですね.しばらく弾かれていなかった楽器でも同じ経験をすることが多いです.これは新作に限らすオールドバイオリンでも同じように思います.でいらぼっちさんのおっしゃるように弾き手がなじむということもあるのでしょうが,駒や魂柱が良い位置に落ち着くということの方が大きいのではないでしょうか.初心者の方ではこの変化が起こらないというのは,初心者の方では効率的に楽器を振動させることができないためではないかと思います.
投稿者:でいらぼっち 投稿日時:2002/01/17 12:53 ---
ASさん、こんにちわ。
> たしかに物理的な音量が経時変化によって大きく変わることはないのでしょうが,音のまとまりというか遠達性は明らかに変化していくように思います.
なるほど、確かにそれはありますね。音の立ち上がりが速くなると最大音量に達する時間も早まるわけで、結果的に一定時間内の音量が上がったことになりますものね。一口に「楽器の成長」と言っても、いろいろなファクターがあるのですね。
Q:はじめまして
投稿者:ぶーぶー 投稿日時:2002/01/14 19:20 ---
初めまして、ぶーぶーと申します
突然ですが、最近ビオラを買いました
予算は三十万前後で、店の人に「予算的にカールヘフナーとスズキのどちらか・・・」と言われたので、パンフレットをよく読んでカールヘフナーに決め、取り寄せて貰いました
でも買って帰ってよく見ると西ドイツのキルシュネックというメーカーのものでした
私は始めたばかりの初心者なので音や質の善し悪しもよくわかりませんが、今のところ楽器にこれと言った不満はありません
ただ、キルシュネックがどのようなメーカーなのかがとても気になっています
自分なりに検索等で調べてみたのですが、Kirlschnekをキルシュネックと読むんだな〜という事くらいしかわかりませんでした(笑汗)
初心者丸出しな質問で申し訳ありません;
それでは、失礼しました
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2002/01/15 10:32 ---
こんにちは、ぶーぶーさん。ストラッド店員です。
今店主はゴルフにいっておりまして、変わりにお答えいたします。
店主に確認したところ「ドイツの大量生産品だろ」とのことでした。
それ以上の事は扱ったことがないので解らないとのことでした。
私も検索なので調べましたが、とりあえず値段表が見つかりました。
http://www.izuta-violin.co.jp/catalog/Kirsch-VA.html
です。
どなたか、詳しい方いましたらコメントお願いいたします。
Q:ANTON PRELLのチェロに就いて...
投稿者:燃えるパパゲーノ 投稿日時:2002/01/05 23:42 ---
今日は、いつも楽しく、拝見しており、勉強させて頂いております。
私のセカンド・チェロ(練習用)で、ドイツ(シュトットガルト)のFACTORY MADEの楽器だと思いますが、ANTON PRELLという楽器を所有しています。
10年位前に、セカンド楽器として60万円位(当時新作)で購入しました。
FACTORY MADEにしては、バランスと音色が良く、品のある音が出ます。その為、時々演奏会でも使用している楽器です。
この楽器は、プロオケの舞台でも、何回か活躍してもらっています。
この製作者OR工房に就いて、ご教示頂けますでしょうか?宜しくお願い致します。
ところで....
ただイタリア製だから、フランス製だからというそれだけの理由で、変なプレミアムがくっついて200万とか500万とかいう新作の楽器は、世の中に腐るほど有ると思います。実際は大した楽器ではないのにも拘わらず...。
そういう楽器と同等か、それ以上のパワーと音色を持つドイツや中国の楽器で30万〜50万位の素晴らしいものもたくさんあるのです。
それは実際にいろいろな楽器を弾いて、身を持って体感する他ありませんが。
私もこのセカンド・チェロを選ぶに当たっては、予算は60万迄と最初から決めていたので、同じ様なFACTORYを30台位試奏したのです。
そうした意味では、素晴らしいFACTORY MADEに出会えてよかったなと自分では思っています。読者諸兄の中には、「本当に良い楽器」をご自分の予算内で探しておられる方がいらっしゃると思いますが、固定観念を捨てて、「ラベル」・「国」よりも、音楽表現手段・道具としての「楽器」を探し当てることが必要だと思います。
楽器との巡り合いは、「結婚」と一緒なのではないでしょうか?
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/08 16:27 ---
いらっしゃいませ!燃えるパパゲーノさん。ストラッド店主です。
PRELLですね。日本でもこの楽器を扱っているお店がたくさんありますね。
いろいろ調べたのですが、PRELLの情報は型番と値段、生産国ドイツというのしか解りませんでした。
私の感覚ではカールへフナーとロートの中間に位置するFACTORY MADEだと認識しております。
後半の文章は素晴らしいですね!その通りだと思います。
特に新作に関しては余計にいえると思います。
道具として楽器を選ぶのであれば、まずはサイズ、そして音、状態、最後に金額で言いと思います。皆さんもいい楽器を選んでください。
投稿者:ぼこ 投稿日時:2002/01/08 23:31 ---
本当によい楽器とは古さ、音質の良さ、音量なのだけでしょうか。楽器が50〜100年経過し、いい楽器に成長することは間違いないことです。新作の楽器では50〜100年以上経過した楽器と比較して、音質や深みや落ちついた音など及ぶものではありません。しかしどうでしょうか。50〜100年経過したいい楽器の値段は500〜1000万にもなり、一般のアマチュアレベルでは決して手に届かないものになっています。新作の楽器では中国製で40万位からコンクールで賞をとったり現在の巨匠といわれる作家のものでも150〜250万と、何とか予算以内(とっても背伸びして)で買うことが出来ます。ストラッド店主さんは常に古い方がよいと言っておられますが、例えば極端な例ですいませんが、150年経過した楽器で100万の楽器は後50年弾いても音質や音量の変化はほとんど期待できず、所詮その程度の楽器で、今500万位で売っているような楽器には化けません。でも今100万の新作は50年後には今500万位で売っているような楽器になる可能性があります。新作を多くの方が買うのは、そのためです。その期待する要素として「ラベル」があり「国」があると思います。単にサイズが全く同じであれば同じ音がでるなんてだれも信じていないですよね。ストラディやデルジェスは最初からいい音だったといわれています(もちろん数10年経過してからだと思いますが)。
新作のなかでどれがいい楽器に化けるかわかりませんが、いわゆる巨匠と言われる楽器はその人が製作した楽器が30年位経過した楽器がすでにあり、その評価からその人が今製作した楽器もあとその位経過すればきっとこの位の音がすると想像できるから多少高くても買うのです。
新作の楽器が100万で、その楽器が100年経過してすごくよくなるようになっても100万+αくらいでもし買えるならば(あるいは売っていただけるならば)、ストラッドさんの古い楽器が一番という意見には賛成できます。
楽器は車みたいに10年位で買い替えるものではありません。18才の時に楽器を買って弾き続けると、あと50年位は弾き続けられるはずです。いい楽器とは今の音だけではなく、あと数10年後に奏でるだろう音も大切ではないでしょうか。
投稿者:でいらぼっち 投稿日時:2002/01/09 03:34 ---
> でも今100万の新作は50年後には今500万位で売っているような楽器になる可能性があります。新作を多くの方が買うのは、そのためです。
非常にリスキーな考え方ですね。楽器を投機の対象として見ることをすべて否定する気はありませんが、そのような理由によって新作楽器を買う人が大多数とは思えません。むしろ少数なのではないでしょうか?多くの人は今良い音がする楽器を求め、自分が出せる予算と買うことの出来る楽器の狭間で折り合いをつけているのではないでしょうか?
> いわゆる巨匠と言われる楽器はその人が製作した楽器が30年位経過した楽器がすでにあり、その評価からその人が今製作した楽器もあとその位経過すればきっとこの位の音がすると想像できるから多少高くても買うのです。
「ラベル」や「国」だけで本当にその巨匠自らが製作したと判断できますか?真贋がどうのというだけでなく、巨匠の中には自ら製作する以外にライセンスを商売にしている人もいると聞きます。
> いい楽器とは今の音だけではなく、あと数10年後に奏でるだろう音も大切ではないでしょうか。
もちろんその通りだとは思いますが、古い楽器にしろ新作にしろ、数10年後に素晴らしい音を奏でるようになることをどうやって判断するのですか?今の音が素晴らしくなくて、数10年後に素晴らしい音になるなんて、確率的には非常に小さいと思いますが。第一それが判断できるとしても、50年後に確実に銘器になる楽器よりも、今すぐに良い音がする楽器の方が私なら欲しいですね。だって50年後には恐らくこの世にいませんから。まあ投機なら、家族に財産を残すつもりでお買いになればよろしいとは思いますが。
> ストラッド店主さんは常に古い方がよいと言っておられますが・・・
> ・・・ストラッドさんの古い楽器が一番という意見には賛成できます。
ストラッドさんがなぜ「古い楽器がよい」と言っているか、過去ログを良くお読みください。「私はイタリアの古い楽器の音が好き」とハッキリおっしゃっています。店主が好きなものを客に薦める、それも自分のホームページで。どう考えても至極真っ当なことではないですか?これがストラッドさんという弦楽器店の個性だと私は理解しています。何の主張もない楽器店よりはるかにましです。私自身は古い楽器なら何でもバンザイってことはありませんし、現に新作楽器を使用していますが、でもストラッドさんのハッキリした主張は好きです。
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/09 14:51 ---
盛り上がっていますね!いろいろな意見が出るのは大変いいことだと思います。
弦楽器を語る時に必ず付くのが「私の考えによれば」という言葉です。
人それぞれの意見があり、考え方があります。
ただ気になる点はサイズの意味です。
サイズと形は違う意味です。弦楽器特にバイオリンには、決められたサイズがあります。この点に関してはコラムの「楽器のサイズ」をご参考にしてください。
日本ではサイズ違いの楽器が平気で出回っているのが現状です。消費者側もラベルは気にするのですが、サイズをあまり気にしない傾向です。サイズ違いの楽器を使い続けると変な癖がついたり、正規のサイズの楽器を弾けなくなるなどプレーヤーにとって致命傷になりかねないからです。
私の考えでは、まずサイズをクリアーしてから楽器選びが始まると考えております。形に関しては、オールドイタリアンなどは非常に個性的で大好きです。しかし現代のクレモナ型はみんな同じ形で私は面白くないと考えております。これも個人的な意見ですが。
あと経年についてのお話を少しさせてください。楽器は100年単位で音が変わっていくというのが私の今までの経験で培った結論です。正直50年程度ですと、それほどの変化は期待できないと思います。それもヨーロッパの気候という条件がつきます。日本の高温多湿での気候ではもっともっと時間がかかると思います。私はこれがヨーロッパではいい音がする楽器があるのに日本には少ない最大の原因の一つじゃないかな、と思っております。
経年すなわち乾燥して木材が変わっていく事ですね。
人工的に木材を乾燥させてバイオリンを作った人は過去にたくさんいますがどれも失敗に終わっています。時間をかけなければだめみたいですね。ある日本の有名な職人が古い楽器の板のを削った時に言ったのを私は良く覚えています。「新作の木とまるで別の物を削っている感覚です、同じ松材でもぜんぜん違いますね」材質が違えば音も違うこれが古い楽器の秘密だと思います。
100年という月日は物凄いです。私は「いい音がする楽器」を消費者の時代から一番望んでいた物です。だから100年も待てないというのが本音です。それならヨーロッパで経年をした楽器を日本にもち込めばいい音がするんじゃないか、と最初に思って始めたのがこの「ストラッド」です。
日本に「いい音のする楽器」を少しでも持ち込むというのが私の使命だと思っています。
当店はどちらかというと楽器を道具だと捉えています。もちろん骨董的価値を求めるのも悪くはないと思いますが、私自身も楽器を弾くのは大好きなのでやっぱりいい音のする楽器をお勧めいたします。
長々と書いてしまいました。それでは!
投稿者:ぼこ 投稿日時:2002/01/09 20:25 ---
ストラッド店主さん、でいらぼっちさん、いろいろな意見ありがとうございました。燃えるババゲーノさん、すいませんこのサイトにいろいろ書かさせていたいて。
自分の楽器に対する思い入れ(思いこみ?)に「私の考えによれば」という言葉、確かに足りなかったなーと思っています。
ただ自分がいろいろと書かさせていただいたのは、本当にいい楽器が100万くらいでは手にはいらないという事実です。
自分の楽器遍歴を述べさせていただくと、高校2年の時(今から25年ほど前)に約35万位の(当時としてはオイルショック以前で結構高かった)ドイツと思われるオールドヴァイオリン(ラベルは読めない)を買ってもらい、その後大学、社会人になってもその楽器を引き続けています。
2年前に、子供がヴァイオリンを弾いており、そろそろ大人の楽器が必要というために、あちこちの楽器店を回りました。もちろんストラッドさんのところにもおじゃまさせていただき、いろいろ弾かさせていただきました。でもいままで弾いていた楽器以上の音色、音色を持った楽器は自分の思っていたのよりはるかに高いのです。
そのとき初めに書かせていただいたことを思ったのです。
「150年経過した楽器で100万の楽器は後50年弾いても音質や音量の変化はほとんど期待できず、所詮その程度の楽器で、今500万位で売っているような楽器には化けない。でも今100万の新作は50年後には今500万位で売っているようなすばらしい音色の楽器になるのでは。」
もちろん50年後に500万にしてもうけようと思っているのではなく、そのくらい鳴る楽器を自分の手元においていつも弾いていたいという思いからなのです。そのくらいいい音がする楽器は高すぎるのです。
(ストラッドさんは他の楽器屋よりはるかに良心的でコストパーフォーマンスの良い楽器が多くそろっていることは弾かさせていただいてよく分かっています。だからこそ将来の音が見込まれる、自分のアトリエでの作品や中国産の楽器に自分のラベルをはるようなひとでない、本当によいイタリアやフランスの新作の楽器も扱って頂いたらいいのになーと思っています)。
結局、自分の使っていた楽器を子供にあげ、自分は新作の楽器にしました。子供はオールドの楽器の方が音がいいからといっています。
確かに初めはうまく音が馴染まず、オケで弾いていても、急にキンキンした音がなったりと、大変です。でもこの新作楽器を選んだ理由は、時折機嫌がいいと素晴らしい音が響いてくるんです。この自分の長年弾いてきた感覚と自分の楽器選びの考え方を信じて。
今2年目で、以前よりだいぶ馴染んだ音になってきています。
ただ、ストラッド店主さんのおっしゃった言葉が心配です。「日本の高温多湿での気候ではもっともっと時間がかかると思います。」10年位頑張って弾いているともっと良くなるかななんて思っていたのですが。バイオリンを持ってヨーロッパに住んじゃおうかなー。
それでも毎年毎年音が今は良くなっているので楽しみに弾いています。
すいません。つまらないことを長々と書いてしまって。
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/10 10:57 ---
いらっしゃいませ!ぽこさん。
当店の品揃えに付いて少しお話させてください。
当店の品揃えのメインは古い楽器です。出来るだけ他店よりお安く提供するように心がけ、実際に出来ていると自負しております。
新作に関してもこだわりがあります。私は前にも書きましたが現代クレモナ製はあまり好きではありません。クレモナという名前だけでプレミアが付きどれも同じような個性のない楽器なのに高く売られているからです。
ですので当店の現代クレモナ製は、現代の巨匠Gio BATTA Morassiさん1本だけです。その他のイタリアの製作地の新作の作品は非常に個性的なものが多く私も好きです。そして価格もクレモナ製より安いです。道具としての能力もけしてひけをとりません。またルーマニア製の楽器もコストパフォーマンスに優れ楽器の能力もクレモナ製にけしてひけを取りません。
当店ではこのような楽器を取り扱うように心がけており、本当に道具としていい新作だと考えております。(確かに50年後に5倍の値段にならないかも知れませんが、クレモナ製に関しても50年後に5倍の値段になる確立は極端な話宝くじに当たる確立だと思います、一応物価が同じだとしてのお話です)
現代クレモナ製は他店でもたくさん扱っておりますし、当店のメインは古い楽器なので、これはお店の個性だとご理解ください。それでは!
投稿者:AS 投稿日時:2002/01/10 15:29 ---
店主様からMorassiの話が出たついでですが,新品の時から所有しているG.B.Morassi(1966)の楽器の鳴り(音色,パワー),レスポンスは明かに新作とは違うように思います.オールドバイオリンのように本当に熟成された音(シルバートーン?)になるのには,店主様のおっしゃるように100年以上の歳月が必要なのかもしれませんが,新作でも弾き込みによって音にむらがなくなり,鳴らしやすくレスポンスの良い楽器になっていきます.これは木質の経年変化とは違うものかと思いますが,そのかわり10年も待つ必要はなく,弾き始めて数年で十分という気がします.ぽこさんの楽器もこれから固さが取れてどんどんよくなっていくのではないでしょうか.
投稿者:ぼこ 投稿日時:2002/01/12 21:29 ---
ASさん 新作楽器の話をお聞かせいただきありがとうございました。
G.B.Morassiさんの楽器を1966年からお持ちとは、その先見の眼力というか新作を弾いたときのすばらしいインスピレーションを御持ちと、うらやましいかぎりです。できましたら、教えていただきたいことがあります。(他の新作楽器をお持ちの方でも教えていただきたいのですが)
それは新作楽器の取り扱い方です。初期の取り扱いで、何か注意することはないでしょうか。
自分は約1年半たって調整に出したところ、少し駒の位置が狂っており、直した際に、それまで駒のあたっていた表板のニスがはげて(ほれて)少し塗り直してもらいました。そのことについては、以前ストラッドさんにこのログで質問し、お答えいただいたことがあります。
毎日少しでも弾くことが大事なことはもちろんですが、その他にはどのようなことをに注意しなければならないのでしょうか。35年間のご経験からお教えいただけたらと存じます。
投稿者:AS 投稿日時:2002/01/13 01:12 ---
こんにちは,ぽこさん.
このMorassiを選んでくれたのは先生なので,先見の明があったのは私ではなく先生ということになりますね.それどころか私自身は10数年前まではMorassiが現代クレモナの巨匠であることを知りませんでした.それで,あまり取り扱いに注意したことも無かったのですが,この時代のMorassiのニスは,最近のコンテンポラリーイタリアンのニスよりもドライな感じで,日本の気候でもベタつくことはなかったように思います.一時持っていた別の製作家の新作では,何年経ってもニスが柔らかく,ケースの痕が付いてしまったりで苦労したことがあります.ケースに入れないで保管できればいいのかも知れませんが,狭い我が家では楽器を安全に保管できる場所を見つけるのはなかなか難しいですね.あまり役に立つ回答でなくて済みません.
投稿者:でいらぼっち 投稿日時:2002/01/13 12:09 ---
ぼこさんのお話、大変興味深く、私もいくつかお聞きしたいことがあるのですが、そもそもこのスレッドは燃えるパパゲーノさんがセカンドチェロについてご質問なさったものが元発言ですので、これ以上このスレッドで続けるのはふさわしくないと考えます。よろしかったら新規スレッドで続けませんか?言い出しっぺの私が新規スレッドを起こしますので、ぼこさん・店主さん・他どなたでもご意見いただきたく思います。
Q:始めまして☆
投稿者:ノア 投稿日時:2002/01/29 23:28 ---
こんいちは始めまして。ノアと言います。今、私の使っている楽器と弓なんですがちょっと聞きたい事があるんです。VIOLINなんですけれど、製作者「GANDOLFI MARCO」でイタリアの楽器みたいなんですよ。いろいろ本を見たんですけれども、この製作者について載っていませんでした。それと、弓は「Franck DAGUIN」という製作者でフランスの弓なんです。この2人の製作者について教えていただけませんか?宜しくお願いいたします☆
投稿者:ストラッド店主 投稿日時:2002/01/30 12:11 ---
こんにちは、ノアさん。ストラッド店主です。
こちらこそ始めまして。
早速調べてみました。「GANDOLFI MARCO」
これはクレモナの現代作の作家さんですね。資料にはイタリア語で
「1973年クレモナ生まれ。
1991年クレモナで独立、師匠はGiorgioさんとか書かれています。」
イタリア語なので自身はないです。
弓のほうはいろいろ調べてのですが、資料、ネット上などで名前を見つける事が出来ませんでした。すいません。
知っている方おりましたらお願いいたします。